耕心田



小宮剣道部を設立された丸野先生(故人)は、小学校を卒業する子供達に対して子供達の成長を祝い、厳しい稽古に耐えてきた過去をねぎらい、そして子供たちの将来を願い、卒業する子供一人一人に『耕心田』と書いた色紙を贈呈されました。
平成9年7月、部の旗にこの言葉を使わせていただきました。


耕心田』について、辞書などでその由来を調べてみました。
『耕心』の名前の由来は、お釈迦様が存世中に悟りを開かれて説法伝導の旅の途中で、田を耕していた農夫から『聖者よ、私は田を耕し、種を蒔いて、食を得ている。そなたもそんなことをしていないで、
自ら田を耕し、種を蒔いて、食を得てはどうだ。(現代風に言うと、働かざるものは食うべか
らずと言った意味合いでしょう)』と言われ、これに対してお釈迦様は、
『わたしもまた、大切な心という田を耕しているのだよ。』といわれた故事によるもののようです。
どんなによい種(人の話や法話)も心という田が固くては、種を蒔いても実はなりません。
わたしたちは、いつも心という田をほくほくに耕して、毎日を過ごしていきたいものです。

お釈迦様曰く
『信がわが蒔く種である
 智慧がわが耕す鋤(すき)である
 われは 身・口・意 において 日々悪しき業を制する
 そはわが田における除草である
 わが牽く牛は精進にして 行いて帰ることなく
 おこないて悲しむことなく われを安らけき境地に運ぶ
 かのごとく耕し、かくのごとく種蒔いて
 われは甘露(不死または天酒の意)の実を収穫する』